リコーダー

リコーダーとの出会いは(恐らく多くの方と同じく)小学校の音楽の授業でした。ただこの時分の認識は(これもまた恐らくは多くの方と同じように)精々玩具の延長といったもので、ピアノやヴァイオリンといったクラシック音楽で使われる楽器と対等な楽器とは思ってもいませんでした。
その認識が覆ったのは中学校卒業間近にラジオでミカラ・ペトリの演奏を聴いてから。「リコーダーってちゃんとした(?)楽器だったんだ!!」と、結構な衝撃を受けたことを覚えています。ただ、だからといってその後リコーダーに邁進する訳でもありません。なにせ当時は「ばっは?なにそれ、美味しいの??」という物知らずだったのですから、認識が改まっただけで、自分で吹いてみようとは思い至りませんでした。

 

意識してリコーダーを吹き始めたのは、トラヴェルソと同じで名古屋大学のサークル「古学研究会」に入部してから。とはいうものの、自分は横笛が専門(?)だという意識があったので、リコーダーは飽くまで「サブ」。
大学を卒業して仕事でリコーダーを吹くようになっても良い楽器は買わず(買えず)。

尤も当時は今のように多くの優秀な製作家がいた訳でもなく、また少数の製作家の楽器は滅多なことでは手に入らないという状況でしたが。

そんな頃、ベルギーの講習会で出会ったのがリコーダー制作家のヨアヒム・ローメル氏でした。相当質が高かったにも関わらずお値段は当時日本で普通に手に入る楽器の半額程度。即決で買って帰り、それ以来プロ品質の楽器を徐々に揃えるようになりました。