テヌート(tenuto)は符頭に付いた横線で示され、その意味は音を保つこと。
と教えられましたか?
はい、そこまでは正解です。
これを「ギリギリまで(音価一杯)音を伸ばす」ということだと思ってる人はいませんか?
それ実は不正解です。
保つべきなのは「長さ」ではなく「音量」です。
あるフレーズの中でテヌートが付けられた音符を演奏する最適な長さがあります。
この長さは音価通り目一杯とは限りません。
その最適な長さの中で音量を保つというのがテヌートが付された音符に対する相応しい態度です。
確かにテヌートが付けられる音型では「長さ」に関しても音価一杯伸ばすのが適切な場面が多いのは事実です。
しかし必ずしもそういう場合ばかりではありません。
音符同士の間に若干の隙間を空けつつ、音を伸ばしている間は音量一定、という場合も相当あります。
そう考えれば、テヌート&スタッカートも何の問題もなく理解できますね。